★ 神様のご加護 ★
あたしがまだ、慶太と一緒に働いていた頃のこと。
飲み会の前になると上司や先輩が慶太をからかっていた。
「今回の店は海の近く?」とか「池とかある?」など
なぜかみんな水を気にしているのが不思議だった。
その後で「なんであんなことを言うの?」と聞いたら
「前に飲み会の後、酔っ払って海に落ちたことがある」と
慶太の衝撃的な告白を聞いた。(大袈裟・・・)
酔っ払って港の近くを歩きながら家に電話して
「タクシーないから迎えに来て」と言った後、歩いていたら
地面と海の境界に気付かず、そのまま落ちたらしい。
海の中でもがき、1時間近く岸壁にへばり付いていたらしく
救出された時は、意識がなかったと言う。
まるで「九死に一生スペシャル」のような話。
でも助かってよかったね、これからは気をつけてね。
あたしと慶太の会話はそこまでだった。
・・・
Sさんというかなり年配のおばさんのパートさんが加わって
またその話になった時、Sさんはこう言った。
「この世にまだご縁があったから助かったのよ」
「神様がまだ死なせるわけには行かないって判断されたのよ」
そしてSさんがいなくなって再び、2人っきりになった時、
あたしは慶太に言った。
「あたしに出逢うためだったのかな?」
「俺もそう思う」
だとしたら、神様に感謝したい。
モドル
(photo by erika)
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